要点
良いラップビートは、いちばんにぎやかなビートではありません。フロウに合うテンポ、ポケットのあるドラム、言葉の余地を残すループが必要です。ラップビートメーカーではそれを1行で説明すれば、AI がインストを丸ごと作ります。ページはインストのみがオンで、92 BPM のフリースタイルのプリセットが入った状態で開きます。6つの「雰囲気から始める」タイルは、読み込むプロンプトそのままから v6 で作ったビートをそれぞれ再生し、1回10クレジットで1分ほどでビートが2つ返ります。このガイドでは、これからラップする内容に合うラップビートの作り方を解説します。
このガイドの内容
- ラップビートを成り立たせるもの
- ラップビートメーカーの使い方
- ビートのプロンプトを書く
- 実証済みのラップビートのプロンプト6つ
- ラップビートでよくある失敗
- モデルの選び方
- ビートができたら
- よくある質問
- まとめ
ラップビートを成り立たせるもの
ビートからではなく、ヴァースから始めましょう。何をラップするのか、どのくらいの速さで言いたいのかを考えます。それぞれの材料が、プロンプトの言葉や数字になります(プロンプトはモデルがいちばんよく理解する英語で書きます)。
- テンポ。 ブーンバップとストーリーテリングのビートは84〜95 BPM 前後。言葉の詰まった歌詞や長い語りの行にちょうどいい遅さです。トラップとメロディックなビートは130〜160 BPM ですがハーフタイムに感じられ、スネアが3拍目に来るのでフロウはゆったりしたままです。クラブ向けのラップはダンスのテンポに近い120〜130あたりが多め。数字を書きましょう。
- ポケット。 フロウが収まるグルーヴのことです。Laid-back drums、hard drums、bouncy、swung でどれも変わります。フリースタイルのビートには、誰でも乗れる安定した予測しやすいポケットが必要です。
- ループ。 ラップビートの多くは短く繰り返すアイデアの上に成り立っています。dusty jazz sample loop、emotional piano loop、funk guitar sample、tense string loop。1つ名指ししましょう。
- 低音。 ブーンバップには deep bass、トラップやクラブには soft 808s や punchy 808 kicks。車の中やパーティーで体に感じるのが低音です。
- 余白。 初心者が飛ばしがちな材料です。ずっと鳴り続けるメロディは声と争います。steady and open so a rapper can ride it、space for vocals、minimal melody はどれも、引くようにモデルに伝えます。
- ムード。 バトルなら intimidating and gritty、物語なら reflective and cinematic、クラブなら party energy。同じドラムでもムードの言葉が違えば別のビートになります。
ラップビートメーカーの使い方
- ラップビートメーカーを開きます。 Prompt タブが選ばれ、インストのみがオン(赤く強調)、無料アカウントのモデル選択は v6 Mini のフルのスタジオです。
- プリセットを読みます。 freestyle rap beat instrumental, 92 BPM, simple hard drums, dusty jazz sample loop, deep bass, steady and open so a rapper can ride it。テンポ、ドラム、ループ、ベース、余白が1行にあり、このまま生成を押してもかまいません。

- 雰囲気をタップして聴きます。 1回のタップでサンプルが流れ、プロンプトが入力欄にコピーされます。ここの雰囲気はすべてインストなので、インストのみはオンのままです。バトルのビートをタップすると88 BPM のバトルのプロンプトが読み込まれ、そのタイルのサンプル Battle Ready が流れます。このプロンプトそのままから v6 で作ったもので、長さは1:48です。

- 6つのビートを聴き比べます。 サンプルセクションには、フリースタイル、バトル、ストーリーテリング、メロディック、クラブ、オールドスクールのサイファーが長さとタグ付きで並びます。いくつか流して、それぞれに1〜2行ラップしてみましょう。自分の声こそが本当のテストです。

- ビートのページを開きます。 サンプルにはそれぞれ専用ページがあります。たとえば Battle Ready には、カバー画像、再生ボタン、共有、タグがあります。歌詞パネルには「Instrumental track — no lyrics」とあり、まさにビートに求めるものです。

- 1つだけ変えます。 気に入ったプリセットを残し、テンポ、ループの楽器、ムードのどれかを変えましょう。
- 「無料で音楽を生成」を押します。 ログインしていなければ先に登録しましょう。新規アカウントにはカード不要で16の無料クレジットが付きます。1回10クレジットでビートが2つ、約1分です。曲数は曲を数えているので、2 で1回分です。サンプルのコピーではなく、そのスタイルの新しいビートができます。
ビートのプロンプトを書く
6つのプリセットが従う型は、場面 →「instrumental」→ BPM → ドラム → ループ → ベース → ムード/余白。500文字の Prompt 欄に余裕で収まります。
- 場面から始める。 freestyle rap beat、storytelling rap beat、club rap beat。このページは何をラップするかで整理されていて、最初の言葉が性格を決めます。
- スイッチがオンでも「instrumental」と書く。 どのプリセットもそうしていて、プロンプトをほかへコピーしたときにも意図がはっきりします。
- BPM を、トラップなら「half time」付きで。 150 BPM half time は、ハイハットは速くてもグルーヴはゆったり感じることをモデルに伝えます。Suno はテンポを正確な数字ではなくおおよそで追います。既存のヴァースに合わせる必要があるなら、まず測りましょう。BPM のガイドで方法を解説しています。
- ループ1つ、ベース1つ、ドラムの説明1つ。 emotional piano loop, warm bass, laid-back drums。要素を増やしても良いビートになることはまれです。
- 必要な余白で締める。 steady and open、made for sung-rap、leave room for vocals。
- 参照音声を試す。 音声ボタンで曲を1つ(6秒〜30分)添付できます。自分で作ったラフなループやリズムのボイスメモなどで、ビートがその空気感を借ります。同じ10クレジットです。
ビートの組み立て方全般については、ビートの作り方のガイドを参照してください。
実証済みのラップビートのプロンプト6つ
ラップビートメーカーの6つの雰囲気です。どれも原文のままで、それぞれがタイルのサンプルを v6 で生み出しました。
| 雰囲気 | どんなビートか | プロンプト |
|---|---|---|
| フリースタイルのビート | サイファー向けのシンプルで開けたジャズサンプルのビート(2:18) | freestyle rap beat instrumental, 92 BPM, simple hard drums, dusty jazz sample loop, deep bass, steady and open so a rapper can ride it |
| バトルのビート | バトルのラウンド向けの張りつめたオーケストラのビート(1:48) | battle rap beat instrumental, 88 BPM, aggressive orchestral stabs, heavy drums, tense string loop, intimidating and gritty |
| ストーリーテリングのビート | 長いヴァースの余地がある遅いピアノのビート(2:43) | storytelling rap beat instrumental, 84 BPM, emotional piano loop, soft strings, laid-back drums, warm bass, reflective and cinematic |
| メロディックなビート | 歌うようなラップ向けのハーフタイムのギタービート(2:13) | melodic rap beat instrumental, 150 BPM half time, emotional guitar loop, soft 808s, crisp hi-hats, spacey pads, made for sung-rap |
| クラブのビート | 弾むパーティービート(2:00) | club rap beat instrumental, 128 BPM, punchy 808 kicks, bouncy synth riff, claps and chants, party energy |
| オールドスクールのサイファー | スクラッチ入りのファンキーなブレイクビート(2:30) | old school hip hop break beat instrumental, 98 BPM, funky drum break, scratches, funk guitar sample, rumbling bass, classic cypher vibe |
こちらで考えた未検証のものを2つ。
- UK drill rap beat instrumental, 142 BPM, sliding 808 bass, skippy hi-hats, dark choir sample, cold and minimal, space for vocals(未検証)
- lo-fi boom bap rap beat instrumental, 86 BPM, dusty vinyl drums, mellow Rhodes loop, upright bass, relaxed, room for long verses(未検証)
ラップビートでよくある失敗
- にぎやかすぎる。 止まらないリードメロディは声の居場所を奪います。ビート単体では最高なのにヴァースが消えてしまうなら、minimal melody か space for vocals を頼みましょう。
- フロウに合わないテンポ。 言葉の多いヴァースは100 BPM だと急かされ、ゆったりした語りはフルタイムの150だと引きずられます。まずサンプルに1小節ラップして、数字を調整しましょう。
- トラップで「half time」を忘れる。 これがないと、150 BPM が慌ただしいフルスピードのグルーヴで返ってくることがあります。
- 参考のヴァースがほしいのにインストのみをオンのままにする。 AI に先にビートの上でラップさせてフロウを聴き、それから自分で書きたいならオフにしましょう。
- ムードを重ねる。 Dark, happy, aggressive, chill は打ち消し合います。1つか2つを選びましょう。
- 1テイクで判断する。 1回でビートが2つ返り、片方のポケットのほうが良いことがよくあります。書きたくなるほうを残しましょう。
モデルの選び方
選択肢はフォームの右上にあります。
- v6 Mini は無料プランで、「素早く下書き、たくさん試せる」と説明されています。テンポやループを素早く試すのに向いています。
- v6 は「最もパワフル、どんな曲にも」。6つのサンプルビートはすべてこれで作られました。録音に使うビートにはこれを。
- v6 Wild は「実験的なアイデアに最適」。変わったサンプルやジャンルの掛け合わせに試しましょう。
v6 と v6 Wild は有料プランが必要で、詳しくは料金ページにあります。どのモデルでも料金は同じで、ビート2つで10クレジットです。
ビートができたら
- 書きながらループさせる。 プレーヤーにはリピートボタンがあります。ビートをリピートで流しながら書きましょう。
- 曲の長さにするなら曲を延長で、任意の位置から続けられます。
- セクションを差し替えるならパート差し替えで。たとえば遅いヴァースのために静かなブリッジを作れます。
- 参考のフロウを聴く。 インストのみをオフにして同じプロンプトを AI ラップジェネレーターで使えば、そのスタイルの AI のヴァースが聴けます。あとでラップ入りの曲からオケだけがほしくなったら、ボーカル除去でボーカルとインストに分けられます。
- ほかのビートのスタイルを探る。 AI ビートメーカーはビートのスタイル別、AI トラップジェネレーターは808を掘り下げ、Phonk メーカーはカウベル主体のフォンクをカバーします。
- 録音用にダウンロードする。 ダウンロードはプランに含まれます。料金を参照してください。
よくある質問
無料でラップビートを作れますか?
はい。新規アカウントにはカード不要で16の無料クレジットが付き、v6 Mini での1回はビート2つで10クレジットです。
ラップビートのBPMはどのくらいがいいですか?
ブーンバップとストーリーテリングはおよそ84〜95、トラップとメロディックラップはハーフタイムで130〜160。数字をプロンプトに書きましょう。
ボーカルの余白があるビートはどう作りますか?
steady and open、space for vocals、minimal melody を頼み、ループの楽器は1つだけ名指ししましょう。
このビートに乗せた曲をYouTubeやSpotifyで商用リリースできますか?
商用利用は Standard プラン以上、2,500クレジット以上のパック、Team プランにのみ含まれます。無料クレジット、Starter プラン、Mini クレジットパックで作ったビートは個人利用のみです。
ドラムやベースを別トラックで手に入れられますか?
いいえ。ボーカル除去は曲をボーカルとインストの2つのステムに分けます。ドラムやベースの個別のステムはありません。
AIにビートの上でラップもさせられますか?
はい。インストのみをオフにするか、完全なラップ曲なら AI ラップジェネレーターを使いましょう。
ビートを非公開にできますか?
はい、有料プランなら可能です。生成前に公開をオフにしてください。
まとめ
ラップビートの作り方を知ることは、ほとんどがその上で何をラップするかを知ることです。場面を選び、テンポを書き、ループ1つとドラムの種類を1つ名指しし、余白を残す。ラップビートメーカーから始め、自分のヴァースにいちばん近い雰囲気をタップし、サンプルに1小節ラップし、1語だけ変えて自分のビートを2つ生成しましょう。
